混乱と反省の日々

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help リーダーに追加 RSS たらいまわし本のTB企画・第13回は『美しく妖しく…夜の文学』

<<   作成日時 : 2005/05/21 00:07   >>

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遅ればせながら、「たらいまわし本のTB企画・第13回は『美しく妖しく…夜の文学』」に参加申し上げます。お題は四季さん http://cafebleu.vis.ne.jp/ciel/であります。

後発なので、主要な作品はもうほとんど出尽くしてしまったでしょう。それにしても、「夜の文学」ですか。いわゆる「アダルト系」ならば、何十冊でも挙げられるのですが、そうはいきますまい。
というところで、思いつくままにいくつか列記いたします。

梶井基次郎
『闇の絵巻』『交尾』『蒼穹』『Kの昇天』
梶井の作品には、事物への限りない執着と愛情を感じます。あたかも、夜闇のなかの一点の灯火にこだわり続けるようであります。

古井由吉
『影』『狐』(短編集「水」収録)
群衆の中に意識が埋没していく時の不安と混乱、それこそ夜のイメージそのものと感じました。

ジャン・ジュネ
『葬儀』『薔薇日記』
ジュネの小説からは、生々しい肉声、闇の底からうめくような、人間の本当の姿が克明に描き出されます。とても明るい昼間に直視できるものではありません。ジュネ作品はほとんどが入手困難らしいので、残念なことであります。

E・A・ポー
『赤死病の仮面』『大烏』
夜は扉をひとつずつ開けて、着実に一番奥の部屋までやってくるのであります。人間はどんなに努力してもなすすべはありません。そして、別の部屋では闇夜に向かってカラスが一声啼くのであります。「またとない」と。

ジョン・ウィンダム
『トリフィドの日』
映画にもなった名作。冒頭の夜のシーンばかりでなく、作品に夜のイメージが随所に見られます。

泉鏡花
『高野聖』『外科室』
いずれも「夜」のイメージが強いです。

埴谷雄高
『死霊』
誰かが挙げているでしょうが、やはりこれは選びたいです。

田村隆一
『四千の日と夜』
詩集です。「幻を見る人」以下、すべて名編であります。

中島敦
『山月記』
中島敦はじっくり読み返したい作家です。ほかに『弟子』が好きです。

カフカ
『審判』
「これでは犬みたいじゃないか」と叫ぶのは、やっぱり夜でしょう。

オマル・ハイヤーム
『ルバイヤート』
これも詩集です。酒と歌、そして傍らに美女(?)とくれば、もう夜しかないでしょうね。

張文成
『遊仙窟』
やっぱり最後はアダルト系に来てしまいました。でも、伝奇小説として名作だと思います。あの得体の知れない怪しいイメージ。何度読んでも面白いです。

まだまだ何か忘れているような気が致しますが、思いだしているとキリがありません。チャカポコチャカポコ、皆様お疲れのご様子でもありますゆえ、今回はこれにてお開きということで。
ご退屈様。

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2005/05/22 18:43

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コメント(14件)

内 容 ニックネーム/日時
多摩のいずみさん、はじめまして!
今回主催者をやらせて頂いた四季と申します。ご参加ありがとうございます(^^)。
沢山の夜の文学が挙げられていて、見てるだけで圧倒されてしまいました。
すごいですね。
しかもこれだけ挙げられていても、他の方とはほとんど重なってないです!
確か「大烏」ぐらいじゃないかと。

梶井基次郎や泉鏡花は確かに夜のイメージ…
「審判」が夜というのも、なるほどなあといった感じです。
読んでない作品が多いのですが(勉強不足!)、中国ものが特に好きな私としては
「山月記」と「遊仙窟」が特に気になります。
アダルト系とはいっても伝奇小説として名作なら、ぜひ読んでみたいです(^^)。
四季
2005/05/21 07:01
おおっ!すごい数ですね!
カフカは夜っぽいですよね。
ちょろいもさんとも不条理文学は夜っぽいという話をしたんですよ。
私はカフカだと『城』がどうにも夜の感じです。
『大烏』はねるさんもあげられていて
http://blog.livedoor.jp/nell888/archives/22437701.html
ねるさんとこは「またと、またとなけめ」で私のが「最早 最早ない」で
多摩のいずみさんが「またとない」
翻訳でこうも違ってしまうのですねえ。
『外科室』は映画で見たせいか桜のイメージが強いです。
LIN
2005/05/21 10:08
>四季さん
はじめまして。恐縮であります。
いやはや、ただ「ええと、夜だったら」という軽い感じで、思いつくものを挙げただけで、誠にお粗末であります。
私も中国関係のものは大好きです。残念なのは、よい翻訳が少ないことであります。
ちなみに、四季さんのブログにコメントを残そうとしたのですが、なぜかうまくいきませんでした。この場で申し訳ないのですが、お詫び申し上げます。


多摩のいずみ 
2005/05/21 15:56
>LINさん
毎度どうも。
いやあ、数だけだらだらと挙げてしまいました。丁寧に本を読んでらっしゃる皆さんが見たら、「なんだコイツは」と思われるのではと危惧しております。
ポーの『大烏』を好きな方は多いんですね。ちなみに、ポーの詩論は20世紀の文学論のなかでも五指に入るものと思っております。
多摩のいずみ 
2005/05/21 16:00
多摩のいずみさん、こんばんは。
TBありがとうございます!

わ〜、たくさんの本を挙げられたいますね♪
私が読んだ事あるのは梶井基次郎と中島敦の『山月記』です。
『山月記』は、高校の教科書で読んで、その後文庫を買った覚えがあります。今、手元には無いのですが・・・。
パッと見た時は、教科書に載っている他の作品に比べて、文体からして面白くなさそうだと思っていたのですが、読んでみると一番面白かったような。
不思議な魅力がある話ですよね。
みらくる
2005/05/21 18:14
多摩のいずみさん、こんばんは。
次に読みたい本にチェックさせてもらってます。ありがとうございます。
私も「山月記」は高校の教科書で習いました。虎になって彷徨する悲しさがとっても印象に残ってます。
「高野聖」も授業で習って、鏡花が残した最も優れた短篇と先生が言われてたのを覚えてます。もうすっかり内容を忘れているのですが、手元に本があったので早速読み返してみようと思ってます。(感謝)
埴谷雄高『死霊』は前から多くの方があげてらっしゃるのに、難しそうで未読なのですが、多摩のいずみさんの今回のエントリーで、背中をおしてもらった気がして、tryしてみたいと思ってます。
ところで、TOPの三色すみれの写真が、不思議な感じですごく美しいのですが・・。魅了されてます。(*^_^*) 花だけが、暗い中にパールの様に浮き上がっていて、とても幻想的です。流石カメラマンさん!です。(笑)
ワルツ
2005/05/21 19:31
>みらくるさん
こんばんは。恐縮であります。
中島敦は、最初はとっつきづらいですが、慣れるとあの漢語を巧みに使った文章と、ガッチリした骨太の作品構成がとても魅力的です。
目下、古本屋さんを回るたび、筑摩書房版の全集を物色中であります。
多摩のいずみ 
2005/05/21 23:29
>ワルツさん
こんぱんは。いつもどうも。
鏡花は奥が深い、というか、まだまだ発掘されていない作品が多いと思います。高校の時、市の図書館で岩波版の『鏡花全集』を見て、その膨大な巻数に仰天した記憶は、25年以上経った今でも鮮明であります。
>三色すみれの写真
ありがとうございます。最近、外に出かけるたびに道端や店先の花の写真をよく撮っております。でも、私の写真の技なんかより、きれいに咲いていた花たちに感謝であります。
多摩のいずみ 
2005/05/21 23:35
多摩のいずみさん、こんばんは。
好物がずら〜りと並んで、圧巻です。さすがっ!
なかでも、「山月記」はたまらなく好きです。
魂の慟哭をひしと感じる作品。
狼男とかキャットピープルとか、変身もの(変なまとめかたですみません)って、せつないですよね。
pico
2005/05/22 04:10
>picoさん
ご無沙汰しております。恐縮であります。
>変身もの
いえいえ、全然変じゃないですよ。『キャットピープル』は、悲しく切ない物語ですね。映画なら、最近のリメイク版より、昔のモノクロ作品(R・コーマン監督?)のほうが格段に素晴らしいです。
それから、picoさんのブログに何度もコメントを書き込もうとしても、いつもエラーが出てしまいます。ブログ初心者の私には、対処の仕方がわかりません。申し訳ありません。とほほ。
多摩のいずみ 
2005/05/22 11:27
こんにちは!TB&コメントありがとうございます♪
沢山の作品が挙げられてますね〜!
それも、夜を徹して一気に読みたいような雰囲気の作品!
>中島敦『山月記』
みらくるさん、ワルツさん同様、私も高校のとき、
現代文でやりました。でも、もう一度ゆっくり読みたいなと
思ってる作品ですー!
>オマル・ハイヤーム『ルバイヤート』
これも、夜に合いますよね!静かな夜に読めば、
悲しげな詩が一層心にしみそう(笑)
ma-ya-
2005/05/22 18:42
多摩のいずみさん、何度もこんばんは〜
紹介されてる泉鏡花の「高野聖」・・・めちゃくちゃ面白いではありませんかーーー!!
どきどきしながら読み進めてたら、え〜〜ん信じられないですぅ。(泣)私の本・・古い本の為、21の途中から、ごっそり抜け落ちているのです〜〜(こんな事有りー!!泣
後どのくらいで終わりなのかも分からない・・(笑)
僧が、薬売りを助けに、普通の道じゃない方の道を峠越えして行く描写がホントに素晴らしいですね。明治時代の山の中の雰囲気がおどろおどろしくて、どきどきする雰囲気。蛇とか蛭とか・・・もう見かけない懐かしいもの達!ばかり(笑)
あねさんの家に泊まらせてもらって、その家も何やら妖しいの?・・そして薬売りがどうなってるのか??・・明治の雰囲気にたゆたいながら・・
これから佳境か・・って時にページが欠落してました・・今欲求不満おちいってこの気持ちをぶつけてます。(すみません。笑)
明日、続きを本屋さんに探しに行って来ます〜。
面白い本を紹介下さって感謝・感謝です。一言多摩のいずみさんにお礼を・・と。
ワルツ
2005/05/22 21:41
>ma-ya-さん
いらっしゃいませ。こちらこそ恐縮です。
それにしても、『カーマ・スートラ』は気が付きませんでした。実は私、この手の本を積極的に集めているのですが、内容が内容だけに、なかなかブログなどでは紹介しずらいところであります。
今後ともよろしくお願いいたします。
多摩のいずみ 
2005/05/22 23:17
>ワルツさん
わざわざ恐縮です。私の好きなシーンは、…もっと後なので、言わないほうがいいですね。ともかく、喜んでいただいて何よりであります。
昔は『高野聖』や『歌行燈』など、岩波や新潮の文庫に入っていて、どこの本屋さんや古本屋さんにも当たり前のように並んでいたものですが、最近は鏡花も露伴も、芥川や漱石ですら、なかなか無いみたいであります。時代の流れでしょうね。
多摩のいずみ 
2005/05/22 23:24

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