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岩波書店版の全集の編集は、実にすばらしいと感じる。こうした、評論や随筆などをジャンルで区別するのではなく、時系列に並べたものは単なる個人全集ではなく、これだけが『岩波版内村全集』という作品となっている。同様の編集に『芥川龍之介全集』などがあるが、やはり見事な編集だ。 この『内村全集』を読んでいくと、その思想的な変遷がよくわかる。当初、秀才たる鑑三青年は観念的に「禁酒論」や「義戦論」を主張するが、実社会との接触が重なるとともに、「禁酒論」は次第に姿を消し、「義戦論」は「非戦論」へと変化していく。まるでひとりの、生身の人間のドラマを観賞しているようだ。 |
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